ロングテール

Googlebotの「なりすまし」アクセス、実際どれくらいある? サーバーログ調査でわかったこと

2026/8/13

この記事を書いた人

大森友貴

💡この記事のポイント

  • User-Agentに「Googlebot」と表示されるアクセスのうち、約半数(51.5%)はGoogle公式IPと一致しない「なりすましアクセス」だった。

  • なりすましアクセスは特定のページではなく、サイト全体に「広く・浅く」分散して発生している。

  • 正確な判定にはUAだけでなく、Googleが公式公開しているIPリスト(JSON)を用いた検証が不可欠。


はじめに

Webサーバーのアクセスログを見ていると、User-Agent(UA)に「Googlebot」と表示されたアクセスが数多く記録されています。しかし、その中にはGooglebotを名乗っているだけの「なりすましアクセス(偽装bot)」が相当数紛れ込んでいるのをご存知でしょうか。

なりすましGooglebotは、検索エンジンのクローラーを装いながら、実際にはコンテンツのスクレイピングや脆弱性調査、過剰なアクセスによるサーバー負荷など、別の目的を持っているケースがあります。

かつてGoogleはIPアドレス変更の可能性やクローキング目的での不正利用を防ぐためIPリストを非公開にしていましたが、現在は公式のIPアドレス一覧(JSONデータ)を公開する運用へ変更されています。

今回、弊社サーバーに記録されたアクセスログと、このGoogle公式のIPアドレスリストを突き合わせ、なりすましアクセスの実態を調査しました。



調査の概要と検証方法

今回の調査目的はシンプルです。

「Googlebot」を名乗るアクセスのうち、本当にGoogleからのアクセス(本物)はどれくらいあり、なりすましはどれくらい含まれているのか?

検証にあたっては、以下の手順で判定を行いました。

  1. ログの抽出
    UA(User-Agent)に「Googlebot」が含まれるアクセスログを抽出(画像・JS・CSSなどの静的ファイルは除外し、HTMLページ本体へのアクセスのみ)。

  2. Google公式IPリストとの照合
    ログに記録された送信元IPアドレス(IPv4 / IPv6)が、Googleが公式配信しているIPリストに含まれているかを判定。

    🔗 Google公式 Common Crawlers IP Ranges (JSON)

  3. 分類
    公式IPリストに含まれるものを「本物」、含まれないものを「なりすまし(偽装bot)」と判定。

  • 対象期間: 2026年6月15日〜7月14日(1ヶ月間)


調査結果:「Googlebot」アクセスの約半数が偽装botだった

ログを精査した結果、衝撃的な数値が明らかになりました。

弊社サーバーに記録された「Googlebot」を名乗るアクセス 251,431件 のうち、

129,418件(51.5%)がGoogle公式IPリストと一致しない「なりすましアクセス」

であることが判明しました。

📊 Googlebotアクセスの内訳

分類

アクセス件数

構成比

判定基準

本物のGooglebot

122,013 件

48.5%

Google公表の公式IPリストと一致

なりすまし(偽装bot)

129,418 件

51.5%

Google公表の公式IPリストと不一致

合計

251,431 件

100.0%

UAが「Googlebot」の全アクセス

「Googlebot」を名乗るアクセスの半分以上がGoogleとは無関係な第三者による偽装アクセスだったということになります。


発生傾向:「広く、浅く」クロールするように拡散している

なりすましアクセスは、特定のページに集中して攻撃的に行われているのでしょうか。URL単位で発生状況を集計したところ、特徴的なパターンが見えてきました。

  • なりすましが発生したURL数: 89,150 件

  • なりすましアクセス数の合計: 129,418 件

📊 1URLあたりのなりすましアクセス回数

発生回数

対象URL数

URL構成比

アクセス数

アクセス構成比

1回

68,182

76.5%

68,182

52.7%

2〜5回

20,894

23.4%

60,682

46.9%

6〜10回

70

0.1%

451

0.3%

11〜50回

4

0.0%

103

0.1%

51回以上

0

0.0%

0

0.0%

この集計結果から、次の傾向が読み取れます。

  • 広く分散している:89,150件という膨大なURLに対してまんべんなく発生している。

  • 回数はごくわずか:対象URLの76.5%では発生がわずか1回のみ。5回以下を合わせると全体の99.9%を占める。

特定ターゲットへの集中的な負荷・攻撃というよりは、本物のGooglebotの振る舞いを模倣し、Webサイト全体を機械的かつ薄く広く収集(スキャン)している実態が浮き彫りとなりました。


まとめと対策:公式JSONリストを活用した検証の仕組みづくりを

今回の調査から、以下の2点が明らかになりました。

  1. User-Agentだけに頼る判定は危険:「Googlebot」を名乗るアクセスの約半数(51.5%)は、Google公表IPリストに含まれない偽装アクセスだった。

  2. サイト全体を薄く広く探索している:特定ページへの集中攻撃ではなく、本物のクローラーのようにサイト内を巡回する挙動を見せている。

🛠️ 実務での対策ポイント

アクセス解析の精度向上や、悪質なボットによるサーバー負荷・コンテンツの無断収集を防ぐためには、User-Agent判定のみに依存しない検証が不可欠です。

Googleが公開している公式IPリスト(common-crawlers.json)はシステムに組み込みやすいJSON形式で提供されており、IPv4およびIPv6の両方に対応しています。

ただし、GoogleのIPアドレス帯は今後も変更・追加される可能性があるため、一度リストを取得して終わりではなく、定期的に最新のJSONファイルを取得・更新して照合する自動化システムを構築することをおすすめします。


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大森友貴

10年以上にわたる開発ディレクター経験と深いSEO知見で、「LPクラフト」の価値を進化させているキーパーソン。チームの困りごとに徹底して寄り添うマネジメントでメンバーの成長を支え、プロダクト品質の要を担う。育児と仕事を両立しながら柔軟かつ力強くチームを引っ張る、開発リードディレクター。